【社労士監修】労働基準法の休業手当とは?コロナは対象?定義や支給条件を解説
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労働基準法の休業手当についての疑問と回答
休業手当
使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。(労働基準法第26条)
休業期間中の休日の取扱い
法第26条の休業手当は、民法第536条第2項によって全額請求し得る賃金の中、平均賃金の100分の60以上を保障せんとする趣旨のものであるから、労働協約、就業規則又は労働契約により休日と定められている日については、休業手当を支給する義務は生じない。(昭24・3・23 基収4077号)
経営障害による休業
親会社からのみ資材資金の供給をうけて事業を営む下請け工場において、現下の経済情勢から親会社自体が経営難のため資材資金の獲得に支障を来し、下請け工場が所要の供給をうけることができずしかも他よりの獲得もできないため休業した場合、その事由は法第26条の「使用者の責めに帰すべき事由」に該当する。(昭23・6・11基収1998号)
事業の休止を余儀なくされて休業した場合は、労使で話し合いをお願いしますが、不可抗力による休業の場合は、休業手当の支払いの義務はありません。また、労働基準法では、コロナウィルス感染を防止するための就労制限の規定はありませんが、感染予防法18条に該当し、就業を制限され、働くことができなくなります。
※ 新型コロナウイルスに関する情報はアップデートされている可能性があります。詳細は厚労省のQ&Aをご確認ください。
前項に規定する患者及び無症状病原体保有者は、当該者又はその保護者が同項の規定による通知を受けた場合には、感染症を公衆にまん延させるおそれがある業務として感染症ごとに厚生省令で定める業務に、そのおそれがなくなるまでの期間として感染症ごとに厚生省令で定める期間従事してはならない。(感染予防法18条2項)
派遣中の労働者の休業手当について、労働基準法第26条の使用者の責めに帰すべき事由に該当するかどうかの判断は、派遣元の使用者についてなされる。したがって、派遣先の事業場が、天災地変等の不可抗力によって操業できないために、派遣されている労働者を当該派遣先の事業場で就業させることができない場合であっても、それが使用者の責めに帰すべき事由に該当しないこととは必ずしもいえず、派遣元の使用者について、当該労働者を他の事業場に派遣する可能性も含めて判断し、その責めに帰すべき事由に該当しないかどうかを判断することとなる。(昭61・6・6基発333)
新規学卒採用内定者の自宅待機
新規学卒者のいわゆる採用内定については、遅くも、企業が採用内定通知を発し、学生から入社誓約書又はこれに類するものを受領した時点において、過去の慣行上、定期採用の学卒者の入社時期が一定の時期に固定していない場合等の例外的場合を除いて一般には、当該企業の例年の入社時期に就労の始期とし、一定の事由による解約権を留保した労働契約が成立したとみられることが多い事。したがって、そのような場合において、企業の都合によって就労の始期を繰り下げるいわゆる自宅待機の措置をとるときは、その繰り下げられた期間について、労働基準法第26条に定める休業手当を支給すべきものと解される。(昭63・3・14基発150号)