【社労士監修】日またぎ勤務の残業代はどう計算する?連続勤務の日付境界や割増賃金についての解説
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24:00を超えて労働した場合、24:00以降の労働時間は当日なのか翌日なのか?平日から休日にまたいだときの正しい割増賃金の計算方法は?具体的なパターンで解説します。
月末月初の労働時間計算方法について以下で解説しています。あわせてご覧ください。
日またぎ勤務の残業代計算についてのポイントと根拠法令
日またぎの労働時間計算、残業代計算に関しては労働基準法等の法律で規定されていません。そのため、厚生労働省からの通達の内容を確認します。
ポイント①:1日の定義は0:00〜24:00であり、24:00以降も労働が継続している場合は前日の労働時間に含める
根拠①: 昭和63年1月1日基発1号通達
・・・。また、一日とは、午前〇時から午後一二時までのいわゆる暦日をいうものであり、継続勤務が二暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも一勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「一日」の労働とするものであること。
ポイント②:翌日の始業時刻以降は法定時間外労働の割増賃金を支払わなくても良い
根拠②: 平成11年3月31日基発168号通達、昭和26年2月26日基収第3406号、平成11年3月31日基発第168号
翌日の所定労働時間の始期までの超過時間に対して,法第37条割増賃金を支払えば法第37条の違反にならない。
ポイント③:法定休日に対する35%の割増賃金は法定休日の0:00〜24:00に発生する
根拠③: 平成6年5月31日基発331号通達
法定休日である日の午前0時から午後12時までの時間帯に労働した部分が休日労働となる。したがって,法定休日の前日の勤務が延長されて法定休日に及んだ場合及び法定休日の勤務が延長されて翌日に及んだ場合のいずれの場合においても、法定休日の日の午前0時から午後12時までの時間帯に労働した部分が3割5分以上の割増賃金の支払を要する休日労働時間となる。
日またぎ勤務の残業代計算の具体例
ここからは具体的な計算の例をご紹介します。
以下の例は通常の労働時間制度(固定労働時間制)を採用しており、始業時刻は9:00、終業時刻は18:00、所定労働時間は8時間、休憩時間は1時間とした際の例です。
1. 所定労働日→所定労働日の例
2. 所定労働日→法定休日の例
3. 法定休日→所定労働日の例
日またぎ勤務の残業代計算で発生しがちな違反例と罰則
日をまたぐ労働に対して、翌日の勤務扱いとして割増賃金を支払っていない場合、未払い賃金が発生します。「所定労働日→法定休日」のケースにおいては、割増賃金を25%のままにしてしまった場合でも10%の未払い賃金が発生します。
未払い賃金は労働基準法違反のため、労働基準監督署からの是正勧告等につながるリスクがあります。特に悪質な場合には労働基準法違反により6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。また民事での未払い賃金請求や損害賠償請求につながるリスクがあります。
日またぎ勤務の残業代を計算するために
日をまたぐ労働に対して、残業代を計算するためには労働時間を把握する勤怠管理ツールを利用しましょう。
また、利用している勤怠管理ツールが24時以降の労働がある場合に、所定労働日と休日で集計方法が変わっているかなども、実際に仮のデータを入れてみるなどで検証しておくのも重要です。
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ラクローでは、設定画面で1日の日付の境界時刻を設定することが可能です。これによって、24時を超えた場合でも設定時間までは前日の労働時間として自動集計を実現しています。
また、休日においては0時から24時を1日として設定しており、休日にまたがる労働時間があった場合は自動で上記集計を実現しています。
ラクローでは細かい設定を変更することなく上記計算を実現しています。なお、法令で定められた基準を超えて残業代や割増賃金を支払う場合には、給与計算時に割増率の調整をお願いします。
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